- はじめに
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思いやりのある地域経済が、明るい地域の未来を創る
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子ども達へ愛を届けよう
- 異文化交流を通じた友情と成長の架け橋
- 伝統とは最先端へチャレンジする事
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おわりに
第60代 理事長 馬場 茂明
愛
~思いやりが原動力となり、明るい未来となる~
はじめに
公益社団法人春日部青年会議所は、「愛する郷土の発展」と「人間性の向上」を目的に創立され59年目を迎えます。これまで活動できたのは、行政、地域団体、企業の皆様のご理解とご協力のおかげであり、何よりも先輩諸氏が地域の為にと沢山の愛を注ぎ続けて頂いた賜物であります。心より感謝申し上げます。
現在、私たちが目にするニュースやSNSの情報は、痛ましい事件や事故などが多く、不安や喪失感を感じるものが目立ちます。私は、このようなネガティブな情報の背景には、他人に関心を持ち思いやる心、つまり「愛」の欠如があると考えています。私たちは毎日多くのことに追われるあまり、自分以外の人たちに関心を持つことを忘れてしまいます。
それは結果として人々が社会で孤立し、悲しい事件や事故を引き起こす要因となり、明るい豊かな社会からは遠ざかっていると考えます。
このような時代だからこそ、愛の力が必要なのです。相手に関心を持ち思いやる心である愛を多くの人々が持つことで、誰一人取り残さない温かい地域を創る事が出来ます。本年、私たちは愛に満ち溢れる地域社会を創るための運動を展開して参ります。
思いやりのある地域経済が、明るい地域の未来を創る
地域の発展に、思いやりのある良好な経済は欠かせない要素です。良好な経済は雇用を生み地域の生活を支えるだけでなく、治安の安定をもたらします。安心して暮らせる地域には愛着も生まれるでしょう。地域に愛着がある人が増える事で相手を思いやる気持ちが伝播し、地域の未来を明るくします。
しかし、長期にわたる経済不況にさらされた地域経済は、自信を失っているように思います。利益を優先する風潮は、「自分さえよければいい」といった自己中心的な考えを助長してしまう恐れもあります。このままの状態が続けば、地域の未来に暗い影を落とす事になるでしょう。
本来、仕事という物は近江商人の三方よしの考えにもある通り、相手を思いやる事から課題を解決し、全ての人を幸せにするものであるべきです。この考え方は、単なる利益追求だけでなく、人間関係や社会全体の幸福を重要視するビジネスのあり方を表しています。仕事を通じ、相手を思いやることで課題を解決し、全ての関係者が幸せになることを追求する姿勢は、持続可能なビジネス成功の基盤となる価値観です。
時代背景は大きく違いますが、青年会議所の設立の際に先ず取り組んだのは経済の充実でした。思いやりのある良好な経済が持つ力は必ず地域に良い影響を与えます。私たち青年会議所が経済の課題に取り込む意味をしっかり認識し、再活性化に向けた大きな役割を担って参りましょう。
子ども達へ愛を届けよう
日本の子どもたちは、他国の子どもたちと比較すると、自己肯定感が非常に低いという現状があります。実施された調査によれば、日本の子どもたちの自己満足度は他国の子どもたちの3分の1以下となっています。この低い自己肯定感は様々な要因により引き起こされていますが、日本の教育制度や社会文化の影響が考えられます。競争を重視した教育環境では、成績や評価が強調され、それが自己評価に大きく影響します。また、日本社会には他人との比較や他者からの評価を重視する風潮があり、これが子どもたちの自己肯定感を低下させる原因となっています。
私は、自己肯定感を高めるためには「承認」が重要だと考えています。子どもたちは、自分を認めてくれる人や環境が必要で、失敗したとしてもその挑戦を評価されること、自分自身の努力を認められることが大切です。これらの体験が子どもたちに安心感を与え、新たな挑戦へのきっかけを生むのです。そのような環境は、子どもたちの承認欲求を満たし、「自分はありのままで大丈夫」という自己肯定感を育てます。継続的に子どもたちに愛を注ぎ、多くの体験を提供することで、彼らの成長を見守って行きましょう。
異文化交流を通じた友情と成長の架け橋
春日部青年会議所とアメリカ・カリフォルニア州パサディナ青年会議所は39年前に姉妹提携を結びました。パサディナホームステイプログラムは、交流を通じて両青年会議所の友情を育み、人間関係を築くことの出来る有意義な取り組みです。
私たちが、青年会議所運動に参加する際に唱和されるJCI Creedの一文の中に 「That the brotherhood of man transcends the sovereignty of nations」~人類の同胞愛は国家による統治を超越し~とありますが、こんな時代背景がある今だからこそ改めてJCI Creedに書かれている、人類の同胞愛とはどういう意味なのかを考え、友情を育んでまいりましょう。
また、未来を担う青少年たちにとって、異なる歴史や文化を持つ人々との交流は、成長期において極めて重要です。彼らが感謝の言葉を交わし、一緒に時間を過ごすことで、多様な価値観に触れ、国際的な視野を広げることができます。これが、国籍や文化の違いを越えて協力し活躍できる人材を育成することにつながると考えています。
今年は多くのメンバーと青少年がパサディナに渡米し、友情を築き、感謝の気持ちを伝えて参りましょう。お互いに学び、価値観や視点の多様性を尊重することで、彼らは豊かな視野を持ち、国際的な問題に対して柔軟かつ協力的なアプローチが可能となり、将来世界から必要とされる人になって行くでしょう。
伝統とは最先端へチャレンジする事
春日部青年会議所は、地域愛で溢れた先輩諸氏により1965年に設立され、来年度は60周年を迎える事となりますが、時代が変化しても変わらない伝統を引き継いできました。
それは、積極果敢に新たなことに挑み続け、先頭に立ち道を切り開く勇気です。60周年に向けて前年度となる本年はメンバーの総意をもって、地域をけん引する事の出来る新たな春日部青年会議所の基礎を創ってまいりましょう。その為の以下の3つのことを実戦していきます。
① 未来へ向けた会員100人への挑戦
春日部青年会議所は設立以来、会員拡大に力を入れてきました。将来も継続的な活動と運動を行うためには、会員拡大の取り組みを決して止めてはなりません。会員拡大は組織の成長と繁栄に不可欠です。会員拡大の重要性は、青年会議所に関わる人々が増えることで、地域の課題を共に解決する能動的な市民が増えることにあります。
そのため、新しい会員の加入への努力は惜しむことはしてはいけません。会員総意で拡大に取り組みましょう。会員数の増加は地域に対する信頼性向上に繋がります。 「埼玉に春日部あり」と称される、100名の会員を有する春日部青年会議所を目指して参りましょう。
② 新たなチャレンジは自分をアップデートさせる
青年会議所は全国3万人を超えるメンバーで構成され、それぞれの地域で「明るい豊かなまちづくり」に奉仕しています。青年会議所には出向制度が有り、国際青年会議所、日本青年会議所、関東地区、埼玉ブロックなどの出向先が存在しています。出向先ではLOMでは得ることのできない出会いや経験ができます。この経験は出向者を更に成長させ、会の財産となっていくでしょう。
青年会議所は手を伸ばせば、最先端の有益な情報を簡単に手に入れることができます。私たちが青年会議所の運動や活動に参加できるのは、家族や会社、従業員の協力や理解があるからです。そんな大切な人達に対しての恩返しは、物を与えるのではなく、より良い思想や価値観を持って帰ることが重要です。もし子どもや従業員の成長を望むのであれば、自分自身がその成長の一番の手本となるべきです。この成長の機会を自ら取りに行き、一緒に成長していきましょう。
③ 伝統を守る
春日部青年会議所の伝統は、常に新しいことにチャレンジし、最先端を目指すことだと私は思います。新しいことに挑戦する際には必ず問題や困難が生じますが、私たち青年ならではの思想や行動力でこれらの壁を乗り越える事が必要です。その経験は、自信となり地域をけん引する原動力となるでしょう。
デジタル化(DX)やカーボンニュートラルのような世界のトレンドを意識し、変化を恐れず常にチャレンジを続けて参ります。
おわりに
大人になっても「愛」について話すことは少し恥ずかしく感じることもありますが、私は愛の力を信じています。春日部青年会議所に入会した初めの頃は、新しい環境に不安を感じていましたが、心温まる歓迎をしてくれました。会員の優しさや笑顔から、大切にされていることを感じました。それに加えて、私は一人ひとりが自分の経験や知識を惜しみなく共有してくれる姿勢に感銘を受け、懐の深さが伝わってきました。
最も印象的だったのは、お互いの成長を支え合う文化がこの団体に根付いていることです。私たちはリーダーシップと自己成長を共に追求する仲間として、助け合い、学び合い、共に笑い、涙を分かち合います。この結びつきは、愛の象徴であり、私の人生に大きな影響を与えてくれました。
私はこの青年会議所での経験が将来の人生において必ず役立つと信じています。
関わるすべての人達が、愛に満ち溢れた人になり、常に周りの人を思いやる思考と行動、そして言動を持つことを目指して進んで行きましょう。魅力的な人々が増えることが、私たちのまちが希望にあふれた未来をもたらすと信じています。
1年間、どうぞよろしくお願いいたします。